日本に拠点を置く中国研究者(国籍を問わず)を対象に、2025年3月に実施したアンケート調査 「日本における中国研究者の経験調査(2025年)」の概要と速報結果を取りまとめました。
362名の研究者から回答を得て、その主な結果は以下の通りです。
・11.3%の回答者が、中国当局者から実施している研究が敏感だと直接に指摘された経験がある。
・27.1%の回答者が、研究上で何らかの困難に直面した経験がある。
・21.8%の回答者が、中国での研究発表時に何らかの検閲をされた経験がある。
・32%の回答者が、中国本土で研究者が拘束されたり行方不明となっている事案が断続的に発生していることから、自身の研究テーマの選定に影響がでていると考えている。
・大学院生を指導する回答者のうち43.2%が、指導の際、研究テーマのセンシティブさを考慮することやテーマの再検討を促した経験がある。
結果の詳細は、下記の報告書をご覧ください。
「日本版中国研究者調査2025―概要と速報―」
東京大学社会科学研究所ディスカッションペーパーシリーズ No.255
https://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/publishments/dp/dpj/pdf/j-255.pdf
東京大学社会科学研究所のトップページからも、研究欄の刊行物等から、ディスカッションペーパーシリーズ日本語シリーズ(J)でアクセスいただけます。
回答することが容易でない内容も含めて、時間をとって回答していただいた方々、そして回答をご検討いただいた方々に、深く感謝申し上げます。
伊藤亜聖(東京大学社会科学研究所・准教授、研究代表者)
林載桓(青山学院大学国際政治経済学部・教授)
于海春(北海道大学メディア・コミュニケーション研究院・助教)
御器谷裕樹(慶應義塾大学大学院法学研究科・博士課程生)